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生薬/紫根(シコン)
紫根   (シコン)    
■ 紫草(「シソウ」または「ムラサキ」)の根
血の熱分を冷ますと共に、解毒作用も有します。
これらの作用から、紫根は熱や炎症に関わる症状に多く用いられます。
紫根が配合されたお薬に、火傷の薬として著名な『紫雲膏』(しうんこう)という塗り薬がありますが、紫根はこのように多くは外用として用いられています。
しかし外用としての適性しか無いのかと言えばそうではなく、内服薬に配合されるケースもあり、地味な存在ですが多くの可能性を秘めた生薬と言えます。
同様な作用を示す生薬に、「地黄」、「芍薬」、「牡丹皮」等があります。
   
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田七 薬草(生薬)=漢方の原料 高麗人参/生干
   記 2010.07.09

「紫雲膏」について


塗り薬の『紫雲膏』は、江戸時代の外科医、華岡青洲(はなおか せいしゅう 1760 - 1835)によって考案されたものです。
この薬は、生薬の「紫根」(シコン)および「当帰」(トウキ)等が配合され、怪我や皮膚病に幅広い効力を有した為、その後広く用いられるようになりました。
現代でもこの薬は火傷(やけど)の薬として有名であり、「紫根」から来るその濃い紫色と、ゴマ油等の成分から来る独特の油臭から、ご存知の方も多いことと思います。
 
生薬成分のうち「紫根」は、皮下の毒素を解除(解毒)し又はそれを体表に排泄(透泄)するという作用を持ちます。このことは、「紫根」が現代医学的に見て抗菌、抗ウィルス作用を持つという事とも関連します。
更に「紫根」は皮下における血液の過剰な熱を冷まし(涼血)、その流れを改善する(活血)作用を持ちます。
また生薬成分のうち「当帰」も、血流を改善し、痛みを止め、皮下の気の巡りを改善する事により肉芽形成を促進する作用を持ちます。これ等の事から『紫雲膏』が、火傷(やけど)にはもってこいのお薬である事も頷けます。
 
大塚敬節先生著の「漢方診療三十年」にも、火傷について『紫雲膏』の効果が記されています。
以下に抜粋させて頂きます。
「(前略)ある日私の家の家政婦がマッチをすったところ、それが箱に燃え移った。ところが、その箱が徳用の大箱であったので、頭髪に燃え移り頭髪が燃えながら顔に垂れ下がってきた。そのため顔いっぱいの火傷になった。私はその時診察室にいたが、叫び声をききつけて、すぐ紫雲膏を塗り救逆湯を飲ませた。
すると、痛みが20分くらいで取れ、ぜんぜん痕がつかないできれいに治ってしまった。
その後のことであった。某家に往診して応接室で談話中、台所のほうでけたたましい女の声がした。何事が起こったのかと耳をそばだててみると、その家の娘さんが、テンプラをあげていて火傷をしたらしいのである。油が顔や手に飛び散って赤くなっている。
私は、往診かばんの中に入れてあった紫雲膏を取り出して火傷を受けた部分に塗っておいて帰った。
ところがこれは大変良く効いて、少しも痛まず痕にもならないで治ったといって感謝された。....(後略)」
このように『紫雲膏』は優れた火傷の薬であり、弊薬局の店頭でも、火傷といえば『紫雲膏』おすすめして好評を得ています。
 
ところで、『紫雲膏』の瓶には、定められた効能・効果として以下のように記載されています。
「ひび・あかぎれ・しもやけ・魚の目・あせも・ただれ・外傷・火傷・痔核による疼痛、肛門裂傷、かぶれ」
例えば、ひびの場合には、割れた部位に『紫雲膏』を塗り込んで絆創膏を当てて置くだけです。
口の端のただれ(口角炎)や赤ちゃんのおむつかぶれなどにも紫雲膏は口中に入っても無害ですので安心です。
便秘などによる肛門裂傷には、副作用の心配なく手軽に用いる事が出来、速やかな改善が見られます。
 
一方、上記のように『紫雲膏』は火傷に効果的なお薬ですから、ひどい日焼けをした場合にも用いられています。『紫雲膏』の基本的な作用を考えれば、このような応用は他にもさまざまに利くと言えます。
例えば、肉芽形成促進作用から褥創(床ずれ)に、又その保湿作用や血流改善作用から指掌角皮症などに、抗炎症作用や皮膚保護作用から虫刺されといった具合に応用されます。
 
『紫雲膏』はこのように家庭の常備薬としても大変重宝し、長期常温保管しても傷まず、必要な時に手軽に用いる事が出来るものです。
 
『紫雲膏』はゴマ油等による独特の臭いにより敬遠される向きもありますが、上記のように、他では得難い利点も多々持っています。忘れる事なく使い続け、後世に引き継ぎたいものですね。
 

最終更新 : 2010 - 08 - 16

 
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薬草 ・ 生薬 ・ 漢方薬

■ 薬草

「薬草」とは、薬になる植物のことです。
例えば、道端に見かける「オオバコ」は咳止めに用いられる「薬草」です。
もちろん、足元に生えている「オオバコ」を引き抜いて、生のまま食べる訳ではありません。
「オオバコ」は、洗って乾燥させ、薬効のある葉は刻み、種は選り分けて用います。
薬草によっては、炒る、蒸すなどといった加工が施されます。

■ 生薬(しょうやく / きぐすり)

このように、服用に適するように加工された状態の薬草を、生の状態と区別して「生薬」と呼ばれることがあります。
多くの場合、薬草の名前とは別に、生薬としての名前が決められています。
生薬名を言えば、薬草の種類と加工の状態がそのまま分かり便利です。
例えば「オオバコ」の生薬名は、葉の部分は「車前草」(しゃぜんそう)、種の部分は「車前子」(しゃぜんし)です。
他にも、「どくだみ」が「十薬」(じゅうやく)、「はとむぎ」が「薏苡仁」(よくいにん)などです。

■ 漢方薬

一方、複雑な病気や症状を治療する場合には、漢方医学理論に則って治療方針を立てます。
この場合、上記の生薬のひとつを用いるのでは足らず、複数の生薬を組み合わせ、効果的に対処することが必要になります。
「漢方薬」とは、このような、長い経験の中で確立された薬草の「組合せ」(処方)のことです。

つまり、薬草を煎じれば即何でも漢方薬と呼べる訳ではありません。

「オオバコ」や、「どくだみ」「センブリ」などを単品でお茶にして飲むことは、「漢方療法」というよりは、正確には「民間療法」と表現されます。

■ 基本は薬草

当然とは言えますが、漢方薬は、薬草を単体で煎じて飲むより、難しい病気にも効果を発揮します。
しかし、その漢方薬も、元はと言えば、その成分となる個々の薬草によって成り立っているのです。
効き目についても、それぞれの薬草の薬効から生み出されています。
そのため、病気・症状に最も合う漢方薬を選び出すためには、成分の薬草ひとつひとつについての充分な知識や経験が不可欠です。

堀薬局は、開局以来、長年にわたり薬草(生薬)の専門薬局として歩んで参りました。

漢方薬を選択する場合は、必ず、それぞれの漢方薬を構成する各薬草について、充分に検討してからおすすめ致します。
   
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