1. 薬草・生薬の形状について
風邪の引き始めに服用する「葛根湯」(かっこんとう)はご存知の方も多いと思います。
名称の最後に「~湯(とう)」と付いていますが、これは他にも「小柴胡湯(しょうさいことう)」や「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」等々挙げればきりがなく、「~湯」が付く漢方薬は大変多いものです。
このように漢方薬の大半は、生薬を煎じ、薬液を抽出することにより作られます。
このため、漢方薬の原料となる薬草・生薬も、計量や成分の抽出に便利なように予め形状加工されています。
いっぽう希少で高価な生薬は、まがい物でないことを証明するため、むしろ原形のまま流通する傾向があります。例えば生薬の「牛黄(ごおう)」などは、原形のままの方が上等とされます。
これら生薬の加工状態を表す表記として、「刻」、「玉」、「寸」・・などが使われますが、一般には判りにくいため、以下では具体例を示し解説いたします。
4. 寸(すん)

ジュウヤク(どくだみ)
一寸(約3cm)程度の長さで刻んだもの
一般に「刻」より大きく(粗く)刻んだ場合の表現で使われます。
ティーバッグ(お茶パック)等に詰める場合は、細かく刻んである方が扱い易く便利ですが、そのまま土瓶に掴み入れるような場合は、寸刻みのほうが便利になります。

8. 末(まつ)

うこん末(宇金末)

サンシシ末(くちなしの粉)
挽いて粉状にしたもの
「粉末」「粉」などとも
・ウコンの原末など、煎じないで直接摂取する用途に。
・散剤の漢方薬(五苓散など)の原料、また、湿布など外用薬として。
