黄連・刻

1. 薬草・生薬の形状について

風邪の引き始めに服用する「葛根湯」(かっこんとう)はご存知の方も多いと思います。
名称の最後に「~湯(とう)」と付いていますが、これは他にも「小柴胡湯(しょうさいことう)」や「小建中湯(しょうけんちゅうとう)」等々挙げればきりがなく、「~湯」が付く漢方薬は大変多いものです。
このように漢方薬の大半は、生薬を煎じ、薬液を抽出することにより作られます。
このため、漢方薬の原料となる薬草・生薬も、計量や成分の抽出に便利なように予め形状加工されています。
 
いっぽう希少で高価な生薬は、まがい物でないことを証明するため、むしろ原形のまま流通する傾向があります。例えば生薬の「牛黄(ごおう)」などは、原形のままの方が上等とされます。
 
これら生薬の加工状態を表す表記として、「刻」、「玉」、「寸」・・などが使われますが、一般には判りにくいため、以下では具体例を示し解説いたします。

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2. 原形(げんけい)

丁香

丁香(ちょうこう)又は丁子(ちょうじ)

形状の加工をせず、そのままのもの

場合により「生(しょう)」と呼ばれることもあります。

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3. 刻(きざみ)

山薬

山薬(さんやく)

甘草

甘草(かんぞう)

不整形で、約3~10mmに刻んだもの

刻み方を細かく指定したい場合は、以下の「寸」「短」「片」などの用語を使い分けます。

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4. 寸(すん)

ジュウヤク(どくだみ)

ジュウヤク(どくだみ)

一寸(約3cm)程度の長さで刻んだもの

一般に「刻」より大きく(粗く)刻んだ場合の表現で使われます。
 
ティーバッグ(お茶パック)等に詰める場合は、細かく刻んである方が扱い易く便利ですが、そのまま土瓶に掴み入れるような場合は、寸刻みのほうが便利になります。

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5. 短(たん)

枇杷葉(びわの葉)

ビワの葉(枇杷葉)

主に葉類生薬を、短冊状(幅4~5mmの幅で)刻んだもの

「短冊切り(たんざくぎり)」とも

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6. 片(へん)

薬用人参(御種人参)

オタネニンジン(御種人参)

削ぐように薄く刻んだもの

「片製(へんせい)」「丸切り」「小口切り(こぐちぎり)」「輪切り」などとも

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7. 砕(くだき)

セッコウ(石膏)

セッコウ(石膏)

細かく砕いたもの

刃物で切りにくい硬い生薬、鉱物生薬など

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8. 末(まつ)

ウコン末(宇金)

うこん末(宇金末)

サンシシ末

サンシシ末(くちなしの粉)

挽いて粉状にしたもの

「粉末」「粉」などとも
 
・ウコンの原末など、煎じないで直接摂取する用途に。
・散剤の漢方薬(五苓散など)の原料、また、湿布など外用薬として。

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9. 玉(たま)

ゴオウ(牛黄)

ゴオウ(牛黄)

ヨクイニン

ヨクイニン(ハトムギ)

球形の生薬で原形のものを特に「玉」と呼ぶことがあります。

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