漢方療法における治療効果について、漢方医学の基本的な考え方から説明致します。

     
     
 
芍薬・しゃくやく
ホーム

漢方療法

漢方相談 薬局案内 サイト内検索
漢方 は ・ ・ ・
その伝統に培われた
作法に則って使われ
本来の作用を現します
   
  サービス一覧  
  主要取扱い品一覧  
   
   

漢方療法の基本的な考え方がイメージ出来れば ・ ・ ・
治療期間や改善への見通しも立てやすくなります。

 

Ⅰ. 「漢方療法」とは・・・
Ⅱ. 漢方医学は、自然と宇宙を解釈する大きな哲学体系の一部
Ⅲ. 漢方医学における「生」と「死」について
Ⅳ. 漢方医学の表面--観念的な構造体
Ⅴ. 漢方医学の裏面--経験から帰納された集大成
Ⅵ. 病は気から
Ⅶ. おわりに

 

-----Ⅰ. 漢方療法とは・・・

漢方療法を行うという事は、単に、薬草のお茶を沸かして飲むという事とは、少々異なります。

漢方療法を行うという事は、漢方理論(中医学理論)に則って、治療するということです。
治療の具体的な内容は、漢方薬の服用だったり、鍼灸だったり、薬膳だったり、体操だったりします。
しかし、そのいずれにも共通するのは、前提として、漢方理論上での必然性があるということです。

「漢方理論」・・・そのような大仰なお話は、慢性病の治療に悩んでいらっしゃる方には、迷惑なだけ、かも知れません。
読む、読まないは、治療効果とは関係ありませんから、必ずしも今すぐ、読まなくても大丈夫です。

ただ、慢性病の治療には、数ヶ月という単位での期間が必要です。その過程で、本当にこれで良いのだろうか?と、疑問が湧くこともあると思います。
そのような時には、以下をかいつまんで読んでみてはいかがでしょうか。
そうすることで、病症の改善には相応の期間がかかることの意味や、現在服用している薬の作用などについて、改めて理解を整理し、目標を持ち直すことが出来ることと思います。

-----Ⅱ. 漢方医学は、自然と宇宙を解釈する哲学体系の一部

漢方医学は、「陰陽説(いんようせつ)」と呼ばれる自然哲学を基礎として発展した、医学体系です。
この「陰陽説」は、宇宙全体を把握する哲学として、今から数千年前に中国において芽生え、二千数百年前には、すでに医療に応用され、文献として確立されました。
これが、日本における「漢方医学」の源流になります。
「漢方医学」は、「医学」とは言え、このように、自然哲学の普遍性を基盤として持っているため、レベルの異なる様々な具象を、高度に体系化することを可能としています。

例えば、漢方医学は、人体の細部に注目したと思ったら、次には、内臓の蔵する「精」、また、生命の根源的パワー、更には、大気(大自然のエネルギー)と変幻自在に焦点を変えます。
こういった点は、従来の医学に対する常識的なイメージを考えれば、かなり異質なものと言えるでしょう。
そのため、人によっては、漢方に、敷居が高く、避けたい気持ちを持つかも知れません。
しかし、それは、漢方理論が、人体のみならず生活の環境についてまで、幅広く体系化されているためなのです。
一方、その特徴は、病気治療の上で、他の手段では得られないメリットを、もたらしてもいるのです。 

-----Ⅲ. 漢方医学における「生」と「死」について

漢方医学が「陰陽説」を基盤にしている事は、お話致しました。
この「陰陽説」は、宇宙は、「陰」(物質)と「陽」(機能・作用)の二つの要素から成り立っているという考えです。
また、それぞれは固定的ではなく、時間とともに、互いに転化する、とされます。
実は、私たちが身近に見ている、移り変わりのすべては、この「陰」と「陽」の流転の過程であるとされています。

例えば、「春夏秋冬」の四季や、病気の進行などもそうです。また、春に芽生えた青葉が、秋には枯れ、枝から落ち、また春になると若葉が生えてくるというのも、そうです。
人間の命もまた、この青葉のように、生まれてきては、老いと死を迎えますが、これも、抗いようのない自然の営みのひとつ、という事になります。
このように、「陰陽説」と、それを基盤とする漢方医学は、人間の「死」をも、一つの過程として「生」と等質に扱っているのです。

しかし、そもそも医学というものは、「死」をあくまでも回避するのが目的ではなかったでしょうか?
ここに、漢方医学の医学としての特色があります。
実は、漢方医学は、その限られた命を、より良く、十全に生かすことを目指した医学体系なのです。
例えば、漢方には「未病(みびょう)」という言葉がありますが、これは、顕在化していない病気のことです。
言い換えれば、発芽はしているものの、まだ地表に芽を出していない若葉のような病気です。
西洋医学では、顕在化した病気を治療しますが、漢方医学では、これを未然に察知して、「発病」を防ごうとします。
そのための判断基準は、体系化され用意されています。(「八綱弁証」)
このことの裏には、生きている間を、より充実させようという考えがあります。
また、漢方理論では、まず「元気」(げんき=生命の源)を挙げ、この「気」がどのように活かされるか、また、その障害になる要素は何かと、事細かく解説しています。それも、つまりは、このような考え方がある為なのです。 

-----Ⅳ. 漢方医学の表面--観念的な構造体

ここまでで、漢方医学は、「陰陽説」を基盤に持つ、体系的な医学であると、お話致しました。
しかし、「陰」や「陽」を、直接手にとって見る事は可能でしょうか。
「本当かしら」と誰でも思うことでしょう。
もちろん、「気」も直接見ることは出来ません。

漢方医学理論は、その本来が、哲学的な自然観察から派生したものですから、その各要素も仮定的なものと言われても否定出来ません。

例えば、「五臓六腑」(ごぞうろっぷ)という漢方での医学用語があります。
この「五臓」のひとつに「腎(じん)」というものがありますが、これは、現代医学でいう「腎臓」を意味するものではありません。
この「腎」という言葉は、抽象概念であり、肉体の核(コア)となる要素とされます。「腎」という文字も、その組み立ては、「肉体(月)」と「堅い」という組み合わせになっています。
むしろ、現在使われている「腎臓」という言葉は、漢方医学で使われる抽象概念としての「腎」を流用したにすぎません。

このように、体系化された漢方理論の各要素の多くは、その根底は、事象を引き移したものと言うよりは、体系化の為に想定された、観念的なものと言えるでしょう。
このため、漢方医学では、患者さんの多種多様な症状、たとえば現代医学では、「訳が分からない」症状であっても、臆することなく、整然と分別され、説明、解釈が加えられます。
この分別、説明、解釈により、その症状の原因や、今後の見通し、多種多様な治療の選択肢、また、治療上の注意点が導き出されます。(「弁証論治」)

例えば、慢性の冷え症について見ます。(あくまでも単純化した一例です)

漢方理論では、人体の基礎的な熱の発生源は、「腎」の火(「命火」あるいは「腎陽」(じんよう))とされます。ですから、慢性の冷えであれば、この「腎陽」の不足をまず疑います。これを、「腎陽虚証」と呼び、その治療は、不足した「腎陽」を「助陽薬」によって補佐する事になります。
また、上記のように「腎陽」を補強する一方で、「陽」に転化する以前の「腎」の「陰」の不足にも配慮します。「腎陽」を補強する場合には基本的に「腎陰」も補強します。
更にまた、この「腎陰」を継続的に充填するのは「脾胃」とされていますから、根本的にはこの「脾胃」の「陽」が不足しているのではないかと疑っていきます・・・・。
このように、漢方医学は、現実の治療にあたっても、まず、観念的な整合性を重視し、その中で、論理的な矛盾点を突く(弁証する)ことによって、病気や症状の本体に迫っていこうとします。

とは言え、ここで、疑問が湧きます。
これは、「机上の空論」ではないでしょうか?
もっと言えば、これは、一種の「ことば遊び」に過ぎないのではないでしょうか?
実際に治療に力を発揮するものなのでしょうか?・・・
この疑問については、以下の項に譲りたいと思います。 

-----Ⅴ. 漢方医学の裏面--経験から帰納された集大成

一例を挙げて、ここでは、慢性の皮膚炎(アトピー性皮膚炎など)を例に考えてみたいと思います。
この病気には、さまざまな容態がありますが、赤みが強い場合は熱性と判断されます。
例えば、この原因を「血」の「熱」に求め、では何故「血」が「熱」を帯びるのかを考えます。
また、それは、「実熱(じつねつ)」と呼ばれる絶対的な熱なのか、「虚熱(きょねつ)」と呼ばれる「陰」の相対的虚弱による「熱」なのか?・・・
「実熱」とすれば、実際の体温や、痛みの有無、また、基礎疾患の有無などを考慮し、「虚熱」であれば、お肌の状態、入眠の良否、肩こりや、食後の消化の良否、その他が検討されます。
今、仮に「虚熱」であるとすれば、一番に疑われるのが、「腎」の「陰」の不足です。それは、「陽」(火)と「陰」(水)は常にバランスをとりつつ拮抗しているからです。
(これは一例であり、あくまでも、例証のため短縮して書いてあります。)

漢方の理論的組み立てから述べれば、治療法は、「腎」の「陰」を持ち上げてバランスを回復させてやるということになります。
そこで、「腎陰」を補充する方剤(漢方薬)を選び出し、服用いただくことになります。多くは、「地黄(じおう)」や「枸杞(くこ)」などが配合された方剤になります。

もし、漢方理論が「ことば遊び」なのであれば、ここから、何の変化も起こらないことでしょう。
しかし、実際には多くのケースで、時間はかかりますが、効果を上げることが出来ます。
漢方薬の服用を継続することで、「腎」の「陰」が補充されるに従って、作用がドミノ倒し式に伝わり、最終的には、皮膚の熱感や、炎症が引いて来ます。
実は、これは、古人が数千年に亙って、漢方理論の体系化のみならず、臨床(実際の治療経験)において、整理、記録を積み重ねて来てくれたおかげなのです。
考えてもみれば、「地黄」という植物の根が、「腎」の「陰」を補うというのは、古人はどうして分かったのでしょう?
これは、経験し、仮説を立て、繰り返し試してみるしかありません。その過程で、「地黄」の肌の熱を冷ますという現象を、「腎」の「陰」を補う作用であると体系化したのです。ここまで来るために、どれほどの手間や時間がかかったことでしょうか?

このように、漢方医学では、その基本として、長年に亙って多くの経験を積み重ね、記録する一方、そのデータを、抽象化によって広範に体系化された治療システムに、フィードバックするということが行われて来たのです。

漢方医学は、日本、中国の医療現場で用いられ、しっかりとした実績を上げています。また、今では、東洋に限らず、欧米でも正式な医学として認知され、普及が進んでいます。
この事実を見れば、漢方理論の体系が、「ことば遊び」ではなく、実効性のある治療体系である事を納得されると思います。
漢方医学の概念的な体系は、古人が積み重ねて来た医療データの重みがあってこそ、意味があるものなのです。 

-----Ⅵ. 「病(やまい)は気から」

多くの方が、漠然と知っていますように、漢方医学は「気」を問題にします。実際、漢方医学は「気の医学」と呼ばれる事もあります。
もちろん、実際の治療でも、ほとんどの場合、「気」あるいは、「気の量」あるいは、「気の流れ」あるいは、「気の発散経路」といった点を観察し、これを治療の対象にします。これにはどのような根拠があるのでしょうか?

漢方医学が、「陰陽説」を基盤にしている事は、先に、お話致しました。
「陰陽」のうち、「陰」は物質であり静止しているものです。
では宇宙が、「陰」だけになったと、仮に想像してみましょう。それは、真っ暗闇であり、動きの全くない、氷り付いた「死の世界」になります。
逆に、この世界に、少しでも動きや光などをもたらすもの、それが「陽」と言えます。
「陽」は活動であり、機能であり、作用です。つまり、私たち人間の活動も「陽」に属します。あるいは、私たちの生命が、その本質において「陽」と言えます。

ですから、漢方医学が、治療のために、患者さんの「陽」の状態を調べ、治そうとするのは、当然のことです。
ところで、この「陽」とは、実は、漢方医学でいう「気」の事に他なりません。そのため、漢方療法では、「気」の問題をさまざまな方向から検討し、治療の対象としているのです。

慢性病の治療では、漢方医学がむしろ、効果を発揮するケースが多々あります。これは、このような特殊な観点から病気を理解し、今まで無かった方向から、治療を進めるためなのです。

ともあれ、健康な人でも、「気」の流れを正常化する処置をすると、それを実感する事が出来ます。
力が湧き上がって来るような、経験した事のないような感覚です。
この感覚を実感すれば、もはや、「気は本当に存在するか」を議論するまでもなくなります。そこには何かがあり、私たちに、他の何ものをもっても代えがたいものを提供するのです。
それは、意欲であり、力でもあり、免疫力でもあります。意欲を失えば、健常な人でも病人になり、病気の人であれば、なおさら悪くなります。 

-----Ⅶ. おわりに

私たちは、日ごろ「お元気ですか」と挨拶をし、「気を使う」や、「胆を冷やす」、または、「血気盛ん」や「逆上する」といった言葉も何気なく使っています。
実は、これらの言葉には、漢方医学上の専門用語が含まれているのです。

このように、日本の伝統的文化には、「陰陽説」や、「漢方医学」が溶け込んでいて、その文化を引き継ぐ中で、私たちも生活しています。
では、私たちは今、「陰陽説」という言葉について、どのようなイメージを抱くでしょうか?
多分、まず第一に、神秘的な占いの世界などをイメージすることでしょう。
あるいはそれは、古臭い、非科学的なイメージかも知れません。

しかし、事実は、「陰陽説」は先端科学の基礎として、現在でも影響力を発揮し続けているのです。
例えば、「陰陽説」は、最先端の計測技術を用いた物理学においても認知され、宇宙の根源に対する見方で、両者が一致した見方になりつつあります。
また、情報処理( IT )技術でも、この「陰陽説」とほぼ同じ理論が、巨大なシステム構築に用いる基礎理論として活用されています。

そして、もし私たちが、このような基礎理論( 陰陽説 )を自らの健康と充実した毎日のために役立てようとするなら、その時はふたたび、日本人の伝統医学である「漢方」へ目を向ける事になるのでしょう。

確かに、現在「漢方」は、一種のブームに乗っていると言えます。
しかしながらその一方、TVコマーシャルなどを見ますと、漢方が説く養生法と、まるで正反対な事が、奨励されていたりします。
また、ほとんどの方が、それらの表現を、ほとんど違和感を感じずに視聴している事もあります。
このことから言えることは、結局のところ、現在の漢方のブームは、今だ表面的な部分に留まっており、その基本とする考え方は、あまり顧みられていないという事です。
実際に、多くの方々が、日常生活での習慣のために、知らず知らず肉体的あるいは精神的に調子を崩されています。しかも、それらの場合の多くは、西洋医学的には「病気」と診断されないのです。

このことは、特に若い方への影響で危惧されます。
何故なら、若い方は、これから、人生で一番大切な時期を控えていますが、そこを、健康や意欲を損なうような生活習慣で過ごせば、後で後悔しても、取り戻す事が出来ないからです。
これは、社会全体から見ても、解決すべき課題ではないでしょうか?

日本人の伝統医学である「漢方医学」が、その基本的な考えとともに見直され、漢方療法が、日常生活でも実践的に用いられることにより、私たちひとりひとりが、よりパワフルで、活気があり、楽しい人生を過ごせるようにと、願って止みません。



なお、ここでのお話では、西洋医学との対比で、漢方医学の長所を特にクローズアップ致しました。
しかし、実践的である点において、両者に優劣はなく、また、お互いに長所短所があるのは勿論です。
ですから、両者をうまく組み合わせて、より良い治療を目指していただきたいのです。
その点に、誤解などありませぬよう、最後に申し添えたいと思います。
 
           

 

電話番号:

0246 - 22 - 2326

 
 

Fax.:

0246 - 23 - 6662

 
 

E-Mail:

soudan@horiyaku.co.jp

 

- T e x t L i n k s -
Introduction : | サイトマップ
Main Menu : ホーム | 漢方相談受付 | 店舗案内 | 検索
Sub Menu : サービス一覧 | 主要扱い品一覧
Others : 発送について | 通販法表記 | リンク集
Copyright© 2006 - 2017 Hori Pharmacy Inc. Top E-Mail